2022/08/19
YFPC 豊ファインパックフィリピンの藤田です。
1. シール力とは
包装資材についてお客様に説明する際に、
「シール」という用語を使う場合があります。
「シール」というのは、フィルムに熱を与えて
溶かし、フィルム同士を接着することを
意味しており、「溶着」とも呼ばれます。
この「シール」のはがれにくさを表すのが
「シール力」という用語です。
シール力について説明する場合、
各々の樹脂の性質が大きく関わってきます。
例えば、シール力が強い樹脂としては、
「低密度ポリエチレン」や、
「メタロセンポリエチレン」などの
「ポリエチレン」です。
ポリエチレンのシール力が強い理由は、
融点が150~170度程度と、
フィルム製品の中では非常に低く、
低温でも溶かしやすく、安定して冷めるため、
シール力が安定するというわけです。
逆に、シール性が非常に弱い、
またはヒートシールが基本的に
できないフィルムもあります。
例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート)や
OPP(延伸ポリエチレン)などがそれにあたります。
PETフィルムやOPPフィルムは、
フィルムを成形する際に「延伸」
(言葉通り、フィルムをタテヨコに伸ばします)
という工程を行いますが、
延伸を行うと、分子構造が変わって
融点が高くなるため、ヒートシール力が
奪われることになります。
ではなぜ、延伸するのか、ということですが、
延伸を行うことにより以下のような特性が
得られます。
・強度が増す
・透明性が増す
・光沢性が増す
・ガスバリヤ性が増す
・防湿性が増す
延伸されたフィルムは単体で袋として
使用するのは難しいのですが、
その特性を活かすために、
シール力の高いポリエチレンと
貼り合わせ、
袋の内側をポリエチレン同士に
なるようにして、ヒートシールを行います。
ちなみに、フィルムを貼り合わせることを
「ラミネート」と呼びます。
こうして、特性の異なるフィルムを
貼り合わせることによって、
高機能なラミネートフィルムとして
広い範囲で使用されています。
とりわけ食品の包装については、
袋の外層側にOPPやPET、ナイロン、
内層側にポリエチレン(PE)を
使う場合が多いです。
乾燥や酸化は外層の延伸フィルムが、
シール力は内層のポリエチレンフィルムが、
それぞれ活躍しているというわけです。
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kfujita@finepack.co.jp
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2.フィリピン生活日記
今回の配信では水道が止まったことについて
お話いたします。
ある日当社で突然、水が使えなくなりました。
普段メンテナンスで1日間使えないときもあったため、
今回もメンテナンスだろうと思っておりました。
しかし、1日、2日、1週間経っても、水が出ませんでした。
当社だけでなく、近隣企業も同じ被害にあっておりました。
当社従業員に確認すると、供給元の水道のパイプが壊れて、
使えない状況になっているとのことでした。
また、部品調達に時間がかかっており、
修理日程は未定とのこと。
結局2週間程度、水が使えませんでした。
久しぶりにフィリピンらしいことを経験しました。
この間トイレにはバケツが用意され、
自身で水を流して、トイレを済ましておりました。
『日本でこんな経験したことがない』と
動揺を隠せなかったです。
一方でフィリピンの方は普段からこのようなトラブルに
慣れているため、淡々と貯水槽からバケツに水を汲み、
トイレに設置していました。
フィリピンの生活に慣れてきたと思っていましたが、
まだまだ未経験なことは多いと実感しました。